10周年

羅臼
知床にさしかかっていた。
朝は峰浜を出発している。
この日の日付で
テントのポールを海に向けている写真が残っている。
誰もが釣りだと思い込む写真。
冗談が言えるようになってきたわけなんだな。


明日の知床越えに備えて、
この日は民宿『のむら』に泊まっている。
初段階の疲れのピークを迎えていた。
民宿ではただただ眠りについていた記憶しかない。
ちょうどそのときサッカーの試合をやっていたことはよく覚えている。


そういえばリヤカーの旅ではことごとくキャンプ場を使わなかった。
この場で考察してみる。
1、キャンプ場がいい機会にあらわれない。
  高台にあったりして面倒くさく、そのまま浜にでた方が手っ取り早い。
2、キャンプ場に泊まるなんて軟弱者だと思い込んでいる。
  テントは何もない浜で張るものだという考えが固定されてしまっている。
3、2に続いて、キャンプ場で寝泊まりしていると思われたくない。
4、幻の存在でありたいと思い込んでいる。
5、キャンプ場でいろいろな人に注目を浴びてしまうのが面倒。説明するのが面倒。
6、そもそもキャンプ場の利点を知らない。
といったところか。


そもそも2はデフォルトだったが、
4は旅の後半でかなり意識したとおもう。
尖ってた俺達。